マイヤー,Eduard(読み)まいやー

世界大百科事典(旧版)内のマイヤー,Eduardの言及

【国家】より

…ここでは,20世紀の主要な議論を紹介する。E.マイヤーやW.コッパースは国家を人類社会に普遍的に存在するものと考え,狩猟採集民の群れ(バンド)にさえ国家的な要素を認めていた。またR.H.ローウィのように,小規模な群れや村は別としても,血縁・地縁の絆(きずな)をこえて形成される結社に国家的なるものの萌芽を見いだそうとした学者もいる。…

【氏族制度】より

… モーガンはこれらのほか,〈共同の墓地,死んだ成員の財産を相続する共同の権利,援助・防衛および加害に対する救治の相互的義務,孤児の娘および女相続人の場合には氏族内で結婚する権利,一定の場合のほか氏族内で結婚しない義務〉をゲノスの特性として列挙しているが,これらに対する文献的な裏づけは,前の諸項目ほどには確実明白とはいいがたい。それに古典時代のアテナイでは,ゲノスの成員となるものは,人民の全部ではなくて,一部の少数者にすぎなかったことも知られているので,《古代史》(1884‐1902)の著者E.マイヤーをはじめ,多くの歴史家は,この種の氏族制度は,ポリスの成立後,エウパトリデスすなわち貴族階級の支配の組織としてつくられた,新しいものであるという見解を表明してきた。けれども他方,フラトリアには,太古から全人民が,個人としてではなく,中間の下部組織を介して加入していたことが伝えられ,その下部組織としてあげうるもののうちで,ゲノス以外の祭祀的集団は比較的後期の所産であることも証明しうるし,事実手工業者など,貴族階級以外のゲノスの残存と推定しうるものも見られるので,もしフラトリアが全人民の加入したものであるとすれば,ゲノスもまた,おそらくはポリス以前から,すべてのギリシア人に本来的な,血縁的な単位集団ではなかったかという考証が,最近の歴史学者によっておこなわれている。…

※「マイヤー,Eduard」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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