マスケット銃(読み)マスケットじゅう(英語表記)musket

翻訳|musket

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マスケット銃」の意味・わかりやすい解説

マスケット銃
マスケットじゅう
musket

前装式の,肩にあてて構え発射する銃 (→先込め銃 ) 。 16世紀にスペイン火縄銃の大型版として開発され,19世紀半ばに後装式のライフル銃に取って代わられた。点火方式は初め火縄式だったが,17世紀に火打石式になり (→燧発銃 ) ,19世紀初期に雷管式に移行した。初期のマスケット銃は2人で操作されることが多く,移動が容易な支柱から発射された。長さ 1.7m,重さ約 9kgで,約 60gの弾丸を 160mほど飛ばすことができたが,命中精度は低かった。後期のマスケット銃は小さく軽くなり,命中精度も向上して,100m近く離れた人間大の的に命中させることができた。口径は,1.75cmから,1.9cmをこえるものまであった。

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