ライフル銃(読み)らいふるじゅう(英語表記)rifle

翻訳|rifle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライフル銃」の意味・わかりやすい解説

ライフル銃
らいふるじゅう
rifle

銃身の銃腔(じゅうこう)内に螺旋(らせん)状の溝(ライフリング=腔綫(こうせん))を刻んだ小銃弾丸はこの溝によって旋転が与えられて発射され、ジャイロ効果によって正しい弾道上を飛翔(ひしょう)する。18世紀中ごろから理論的に提唱されていたが、19世紀に入って実用化された。ライフリングは、火砲、機関銃をはじめ拳銃(けんじゅう)など軍用銃火器にも応用されているが、散弾銃と対比するため軍用小銃および狩猟用小銃にのみ区別されている。ライフリングは二本から十数本まであり、角度、回転方向、形状も、エンフィールド型、メトフォード型、ポリゴナル型など銃によって異なっている。

[小橋良夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライフル銃」の意味・わかりやすい解説

ライフル銃
ライフルじゅう
rifle

銃身の内部に施条した小銃類。施条の効力は,理論的にはすでに 1740年代にベンジャミン・ロビンズによって証明されていたが,実用化の努力が本格的に始まったのはナポレオン戦争からであった。19世紀半ばに,イギリスのジョゼフ・B.ホイットワースが精巧な施条銃をつくり上げ,雷管の発明と後装式小銃の登場により施条の効果が認められ,1860年代に軍用銃として後装式ライフル銃が確立した。イギリスのマーティニー・ヘンリー銃,フランスのシャスポ銃,ドイツのモーゼル銃アメリカ合衆国のスプリングフィールド銃などが有名。日本へは,幕末に初めて後装式ライフル銃が輸入され,明治政府はスナイダー銃を選んで新軍隊に支給した。

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