マストミス(読み)ますとみす(その他表記)mastomys

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マストミス」の意味・わかりやすい解説

マストミス
ますとみす
mastomys
[学] Praomys (Mastomys) natalensis

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目ネズミ科の動物。アフリカに広く分布している。プラオミス属(マストミス亜属)に含まれ、クマネズミ属Rattusとハツカネズミ属Musの中間的特徴をもち、かつてはクマネズミ属に含められたこともある。頭胴長10~16センチメートル、尾長10~15センチメートル、体重約50グラム。乳頭は7対以上ある。胃、肝臓、下垂体、前立腺(せん)、卵巣など多くの臓器に各種の腫瘍(しゅよう)が高率に自然発生するので、実験動物化され、ヒトの癌(がん)の究明のために大きな役割を果たすことになると思われている。ラッサ熱自然宿主であるとして、日本では2003年(平成15)11月5日から国内への輸入を禁止している。

[宮尾嶽雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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