精選版 日本国語大辞典 「前立腺」の意味・読み・例文・類語
ぜんりつ‐せん【前立腺】
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男性生殖器(性器)の付属腺の一つ。古くは摂護腺(せつごせん)とよんだ。前立腺は膀胱底(ぼうこうてい)に密接しており、形、大きさはともにクリの実に似ている。とがった先端は前下方に向き、上面にあたる部分は膀胱頸(けい)(膀胱から尿道に移る部分)の直下にくる。なお、尿道は前立腺の中央部よりやや前部を貫通し、左右の射精管は尿道の後方で前立腺の中央部(前立腺中葉)を貫通している。
前立腺の全体の大きさは、左右径(上面)で約4センチメートル、前後径で約2センチメートル、垂直径で約3センチメートルほどで、重量は15~20グラムである。肛門(こうもん)から指を5センチメートルほど先まで入れて直腸を触診すると、前方で前立腺に触れることができる。前立腺を構造のうえからみると、一部が筋性、一部が腺性となっている。すなわち、前立腺は平滑筋線維を含む結合組織の被膜に包まれ、腺の内部の実質中にも多量の平滑筋が結合組織とともに分布している(間質という)。また、尿道を囲んで30~50個の分岐管状胞状腺が同心円状に配列し、その導管(15~30本)が放射状に尿道の周りを走っている。ここからの分泌物は乳白色でさらさらした液であり、内腔(ないくう)に貯留されるが、射精時には排出される。精液の約15~30%は前立腺の分泌液が占める。分泌液はアルカリ性で、ジアスターゼ、β(ベータ)‐グルクロニダーゼや数種のタンパク分解酵素を含む。精子の運動は、これらの分泌物によって活発になるといわれる。一般的に、50歳以上になると前立腺肥大がおこる。これは、男性ホルモンの減少、性ホルモンの失調などによって、結合組織の増生がおこり、肥大をきたすものである(80歳までに、その発症率は80%という)。前立腺肥大になると、膀胱頸や尿道の圧迫により排尿障害が生じる。なお、前立腺癌(がん)は、男性にとっては悪性腫瘍(しゅよう)の一つとされる。
[嶋井和世]
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…ヘロフィロスは,《解剖学》《眼について》などを著し,脳を知性の座と考え,運動神経と知覚神経を区別した。prostata(前立腺),duodenum(十二指腸)は彼の命名に基づく。エラシストラトスは,脳室と脳膜を記載,大脳回の観察(知識を結びつけた),乳糜(にゆうび)管の観察,心臓の半月弁,三尖弁の発見など,多くの業績を残している。…
… ヒトの性器は性腺(生殖腺)を中心に,これに付属ないし関連する諸器官からなる。すなわち男性では睾丸(精巣)で作られた精子が副睾丸(精巣上体)から精管を経て尿道に運ばれるが,付属腺として精囊や前立腺などがあり,交接器として陰茎がある。女性では卵巣とそこで作られた卵子を運ぶ卵管と,受精卵を育てる子宮,交接器としての腟などがおもな性器である。…
※「前立腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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