マホリ(その他表記)mahori

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マホリ」の意味・わかりやすい解説

マホリ
mahori

タイの楽器編成の一つ。管・打楽器中心のピーパット編成と弦楽器中心のクルアンサイ編成を総合した,タイ古典音楽の代表的編成。古代クメール人によって発案されたといわれる。元来は男子によって演奏されていたが,アユタヤ王朝の頃から女子の編成となった。当初は拍板 (クラップ・プアン) を持つ歌い手と,ソーサム・サイとクラチャッピ旋律を奏する弦楽器に,トン (単面鼓) のリズムという4人であったが,次第に編成が増加し,ラナートコーン・ウォンも各種追加され,さらには男子も参加するにいたった。現在では,中国のキム・チンやハーモニウムなども手軽に借用している。現在の編成の一例を示すと,チン (シンバル) を手に持つ歌手と,ラナート・エク,ラナート・トゥム,チャケー (鰐琴) ,ソー・ウー,ソー・ドゥオン,クルイ (笛) ,コーン・ウォン,タップ (トーンともいう。砂時計形単面鼓) ,ラムマナー (無鈴タンブリン) の小編成や,これにさらにラナート2種 (エク・レク,トゥム・レク) ,チャケー,ソー・ドゥオン,クルイ,コーン・ウォンなどを追加した大編成などがある。

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