日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラスキノ」の意味・わかりやすい解説
マラスキノ
まらすきの
maraschino
チェリーブランデーの一種。クロアチアのダルマチア地方で栽培されている黒色の酸っぱいマラスカ種のサクランボからつくられるのでこの名前がある。この地方の港町ザーラはマラスキノの世界的な産地で、ラベルにDi Zaraと記されている。マラスカはラテン語のアマルスamarusからきたもので「苦い」という意味である。この酒は1820年代、イタリア人ルクサルドによってつくりだされたものといわれる。製法は明らかにされていないが、マラスカ種のサクランボからつくったマラスキノ・スピリッツまたはブランデーにサクランボの核の仁(じん)を砕いて風味づけをし、砂糖で甘味をつけ、各種スパイス、キイチゴなどで味つけをしている。アルコール分25~30%、無色か、わずかに黄色を帯びている。このリキュールは、細長い瓶に草のはかまを巻き付けているデザインでよく知られている。
[原 昌道]