マルジャエ・タクリード(読み)マルジャエタクリード

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルジャエ・タクリード」の意味・わかりやすい解説

マルジャエ・タクリード
マルジャエタクリード

イスラム教の信徒見習い,従うべき模倣源泉の意。イランにおけるシーア派ウラマー (イスラム法学者) の最高権威。 18世紀イランではイジュティハード (イスラム法解釈) の権限をウラマーに認めるオスーリー (ウスーリー) 派が勝利して以来,ムジュダヒド (イスラム法解釈の権限を認められたウラマー) 内にゆるやかな階位制が生じた。オスーリー派は,信仰を同じくする人々との社会関係や共同秩序の形成から理想の国家の実現に関心を置き,その宗教的,政治的支配権は,ムジュタヒド,特に学識,人格ともに秀でたマルジャエ・タクリードによって行使されるべきであると主張し,常に世俗国家の支配者を否定してきた。イラン・イスラム革命の理念である「ウラマーによる政治」はこのオスーリー学派の実践である。

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世界大百科事典(旧版)内のマルジャエ・タクリードの言及

【十二イマーム派】より

…これに対し,18世紀に法学者の解釈権イジュティハードを主張したウスール学派が勝利した。この結果,王朝支配から独立する法学者の〈最高権威(マルジャエ・タクリードmarjah‐e taqlīd)〉説が再確認された。近・現代にはムジュタヒドの上級者がアーヤトッラーāyatullāhの称号をもち,その下にフッジャトル・イスラームḥujjat al‐Islāmと称される法学者が多数いる。…

※「マルジャエ・タクリード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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