ムジュタヒド(その他表記)mujtahid [アラビア]

改訂新版 世界大百科事典 「ムジュタヒド」の意味・わかりやすい解説

ムジュタヒド
mujtahid [アラビア]

〈努力する者〉を意味するが,イスラム神学法学用語としては,教義決定および立法行為,すなわちイジュティハードを行う者を意味する。イスラム法学は10世紀以後ムジュタヒドの存在を認めず,その後の学者はすべてムカッリドmuqallid(過去の権威によって確立されたところにそのまま従う者)であるとするが,ザーヒル派の学者たちと,個人としてはイブン・トゥーマルトイブン・タイミーヤらは依然として自らムジュタヒドであると主張した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のムジュタヒドの言及

【シーア派】より

…イマームを神格化する派は極端派(グラートGhulāt)と呼ばれ,カルマト派,ヌサイリー派(アラウィー派)がある。これに対し十二イマーム派は穏健な立場をとり,フサインの子孫にイマームをたどり,隠れイマームのガイバの期間は,その意志は宗教法学者ムジュタヒドによって解釈され,また政治的にもムジュタヒドによる指導が行われるべきだという立場をとる。
[儀礼]
 シーア派の主要宗派十二イマーム派は,イスラム法の基本的実践についてはスンナ派とほぼ共通している。…

※「ムジュタヒド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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