家庭医学館 「マレット指」の解説
まれっとゆび【マレット指 Mallet Finger】
球技などでの突き指が原因で、指の先端の関節が曲がって、自分で伸ばすことができなくなる外傷です。
指を伸ばす腱(けん)は、指の先端の骨についていますが、その骨の一部とともにはがれる(剥離骨折(はくりこっせつ))場合と、腱自体が断裂する場合とがあります。
[症状]
突き指をしたあとに、指の先端の関節が曲がって、自分で伸ばせなくなります。先端の関節の背側(爪(つめ)のつけ根)が腫(は)れて、押さえると痛みが出ます。
変形がひどい場合は、先端から2番目の関節まで伸びきってしまい、曲がらなくなることもあります。
[検査と診断]
突き指して、指の先端が曲がって自分で伸ばせない状態であれば、マレット指と診断できます。腱が骨とともに剥離している場合は、X線検査でわかります。腱自体が断裂している場合は、MRIや超音波検査が診断に役立ちます。
[治療]
剥離した骨片が大きくてずれている場合は、手術してワイヤーなどで固定する必要があります。
骨片が小さかったり、腱自体が断裂している場合は、装具などを用いて指の先端の関節を十分に伸ばした位置で6~8週間固定します。