装具(読み)ソウグ

デジタル大辞泉 「装具」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぐ〔サウ‐〕【装具】

武装の際などに身につける器具
機能障害のある体幹四肢に装着する器具。コルセット・長下肢装具・股関節装具など。
化粧道具
室内などの飾りつけに用いる道具。
[類語]調度道具器具用具器材器物工具古道具骨董用品家具家財什器備品置物インテリア

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精選版 日本国語大辞典 「装具」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぐサウ‥【装具】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 化粧の道具。〔後漢書‐陰皇后紀〕
  3. 武装のとき身につける、弾丸入れ、帯剣などの道具。また、身に帯びる種々の道具。
    1. [初出の実例]「戦時出征の際に於て人々被服装具等の全備を要するのみならず」(出典:軍制綱領(1875)〈陸軍省編〉三)
    2. 「潜水夫が装具をつけるような覚悟で、繃帯を巻きもどした」(出典:他人の顔(1964)〈安部公房〉白いノート)
  4. 室内などの飾りつけに用いる道具。

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改訂新版 世界大百科事典 「装具」の意味・わかりやすい解説

装具 (そうぐ)

一般には化粧や武装用に身体につける道具を指すが,ここではリハビリテーションを中心に医療の場で用いられる装具orthosisについて述べる。四肢や体幹の障害に対して,これを助けるために作られ装着されるものをいい,その目的として,(1)変形の予防,(2)安静固定,(3)荷重支持,(4)機能の代償,(5)変形矯正,(6)不随意運動のコントロール,などがあげられる。装具は医師の処方によって作られるが,その目的が医療用のものか更生用のものかによりその費用の出所が異なるので注意を要する。装具の材料は,かつては革や金属が用いられたが,近年プラスチックの熱可塑性のものが多く使われるようになった。上肢装具のうちには,肩装具,肘装具,把持装具,手関節用装具,長対立装具,短対立装具などが分類されるが,いずれも最終的に手の機能を十分に働かせることを目的にしている。下肢装具は体重支持を目的として用いられることが最も多く,また整形外科治療の途中で処方されることが少なくない。たとえば,股装具は小児ペルテス病や先天性股関節脱臼などに,膝装具は膝関節疾患や変形に用いられる。長下肢装具は膝関節の筋群,ことに大腿四頭筋力が低下したために膝の安定性が悪くかつ足関節の動きをコントロールする場合に用いる。短下肢装具は膝関節の機能は良いが足関節のコントロールが不十分な場合に装着され,たとえば脳卒中による片麻痺患者の歩行改善のために処方される。そのほかに靴型装具と呼ばれるものは,内反足,外反足,尖足,扁平足などさまざまな足部変形に用いられる。靴のかかとにも種々の形のものがあって,歩行時の安定性を良くするものが工夫される。靴の中に挿入する足装具には,足のアーチがくずれるのを防ぐことを目的にした,アーチ・サポートなどがある。体幹装具脊椎の支持,固定,矯正のために用いられ,金属枠のものや,プラスチックや,さらに軟性コルセットと呼ばれるものなどがある。頸椎装具の中ではカラーがよく用いられる。脊椎全体に及ぶ側彎(そくわん)矯正装具ミルウォーキー型もよく知られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「装具」の意味・わかりやすい解説

装具
そうぐ
orthotics
orthosis

四肢や体幹の機能障害に対する補助具の総称。ブレースbraceも装具と訳され、副子(ふくし)(副木)splintも装具の一種である。変形の防止や矯正、不随意運動のコントロール、体重の支持などの目的で装着され、材料としては硬性プラスチックを用いたものが多い。装着部位により、上肢装具、下肢装具、体幹装具に大別される。

[永井 隆]

上肢装具

肩甲帯、肩装具、上腕装具、肘(ひじ)装具なども含まれるが、もっとも重要なものは手の装具で、把持装具、手関節用装具、長対立装具、短対立装具などがある。このうち、簡単で小さい装具を副子とよぶこともある。

[永井 隆]

下肢装具

体重を支えて歩行する下肢の機能を助けるもので、長下肢装具、短下肢装具、膝(ひざ)装具などがあり、歩行訓練用に使われる。

[永井 隆]

体幹装具

おもに脊椎(せきつい)の変形防止や矯正に用いられるもので、縦と横の二方向に硬性の支柱をもち、体幹を取り巻くように装着する。コルセットは縦か横かどちらか一方向だけに支柱があるものをいう。装着部位により、頸椎(けいつい)装具、胸腰椎装具、腰椎装具、腰仙椎装具などに分けられる。なお、頸椎装具としては頸椎カラーがよく使われており、牽引(けんいん)装置付きのものも用いられる。

[永井 隆]

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普及版 字通 「装具」の読み・字形・画数・意味

【装具】そう(さう)ぐ

化粧・装飾の品。〔後漢書、皇后上、光烈陰皇后紀〕、性孝愛、已(や)む無し。~、席より牀に伏し、太后の奩(きやうれん)中の物をて、感動悲涕し、脂澤裝を易(か)へしむ。

字通「装」の項目を見る

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