六訂版 家庭医学大全科 「突き指」の解説
突き指
つきゆび
Jammed finger
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな外傷か
突き指とは指先から縦軸方向に力が加わって起こるさまざまな外傷の総称で、多くのスポーツ種目で発生し、スポーツ外傷のなかで最も頻度が高いもののひとつです。いわゆる突き指には指の関節の
このうち、頻度が高い外傷に
症状の現れ方
脱臼や骨折があると指が異常に曲がった状態になります。このような変形がなくても、
検査と診断
指に縦軸方向の力がはたらいて、軸圧、過伸展(伸ばしすぎ)、過屈曲(曲げすぎ)による何らかの損傷が疑われれば、すべて突き指としてもよいのですが、適切な治療を行うためにはより正確な診断名をつける必要があります。指の疼痛、変形、腫脹があればX線撮影を行って、骨折や脱臼の有無を確認します。また、関節のぐらつきがあれば指に内反・外反ストレスを加えてX線撮影を行い、靭帯損傷の有無を確認します。
治療の方法
保存療法と手術療法とがあり、外傷の種類や重症度によってどちらをとるか決めます。保存療法は、必要な場合には徒手整復を行ったあと、副子や装具、テープ、包帯などで体の外からの固定(
応急処置はどうするか
前述したように、突き指にはさまざまな病態が含まれます。したがって受傷直後に指を引っ張るという行為は状態を悪化させてしまう可能性があるので決してしないでください。また、放置しておくと、指の動きが悪くなったり、変形やぐらつきが残ることがあるので、早めに専門医(整形外科・手の外科)を受診することをおすすめします。
加藤 公
突き指
つきゆび
Jammed finger
(外傷)
どんな外傷か
いわゆる突き指とは、野球、バレーボール、バスケットボールなどの球技でボールを受けそこなった時や転倒して指を突いた時に発生する、指の関節周辺のけがの総称です。
この病名(俗称)はあくまでも総称ですので、ひとくちに「突き指」といっても、実際には、
突き指というと軽いけがと思われがちですが、受傷後早期に適切な治療を受けないと、いつまでもはれや痛みが続いたり、関節の変形や不安定性そして運動障害が残ったままになる例も少なくありません。とくに、次のような場合は必ず整形外科などの専門医を受診することをすすめます。
注意すべき突き指
①明らかな変形がある時:脱臼や骨折の可能性があります。
②関節のはれや皮下出血が強い時:骨折や靭帯損傷の可能性があります。
③第1関節が曲がったまま自力で伸びない時:これを
④
応急処置はどうするか
捻挫の項で述べたのと同様、突き指の応急処置も、局所の安静・冷却・圧迫・患肢の
変形があっても、はっきりした原因がわからないのに、素人判断で引っぱるようなことはしないほうが無難です。
竹田 毅
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報