マンナゴケ(読み)まんなごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンナゴケ」の意味・わかりやすい解説

マンナゴケ
まんなごけ
[学] Lecanora esculenta Eversum.

地衣類チャシブゴケ科の1種。中央アジア地方に分布し、岩上に生えるが、成長とともに大きく盛り上がり、岩から離れて、風などによって遠くまで運ばれる。食用にもなり、『旧約聖書』には、イスラエル人がモーセに率いられてアラブの荒野を渡るとき、飢えをしのぐため、神が天から降らして与えた食物がこのマンナゴケ(マンナmanna)であることが記されている。日本に生育するチャシブゴケ属Lecanoraにはいくつかあるが、いずれも岩上や樹皮に固着する小形のもので、食用にはならない。

[井上 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android