山川 世界史小辞典 改訂新版 「マールワーリー商人」の解説
マールワーリー商人(マールワーリーしょうにん)
Mārwārī
北インド,ラージャスターン州のマールワール地方出身の商業コミュニティ。多くはヴァイシュナヴァ派のヒンドゥー教徒やジャイナ教徒である。すでにムガル時代に北インドの金融・商業ネットワークで重きをなしていた。18世紀にベンガルのムルシダーバードに拠点を置いた金融家ジャガト・セートの名は海外にまで知られた。19世紀以降,商人や金貸しとして全インドに進出,特に東・北インドの経済界で有力になった。宗教や社会慣習の面では保守的だが,ビジネスでは積極性に富み,第一次世界大戦後はインド工業化の一翼を担った。ビルラー財閥が有名。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報