改訂新版 世界大百科事典 「ビルラー財閥」の意味・わかりやすい解説
ビルラー財閥 (ビルラーざいばつ)
Birlā
ターター財閥とならぶインドの巨大総合財閥。G.D.ビルラー(1894-1983)により創立。独禁法の規定による直系会社は70社で,そのほかの関連会社を入れると二百数十社を傘下に擁し,資産,売上高でターターを凌駕しつつある。第1次大戦中に商品・株式投機で大蓄財したのち,綿とジュートの両繊維工業に転進し,1930年代に糖業,40年代に繊維,機械,自動車,レーヨン,50年代以降無機・有機化学,アルミニウムなどの基礎金属,海運などに進出し,急速な発展をとげた。その長期的視野を欠いた営利主義,独占的地位や政府との癒着が顕著である点においてインドにおける諸財閥の代表格。創立者ビルラーはM.K.ガンディーと親交があった。創立者の死後,一族の諸サブ・グループは親密に連合している。
執筆者:伊藤 正二
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