ミクソゾア類(読み)みくそぞあるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミクソゾア類」の意味・わかりやすい解説

ミクソゾア類
みくそぞあるい

原生動物門に属する単細胞動物群であるが、近年はミクソゾア門Myxozoaとして格上げされた。粘液胞子虫綱と放線胞子虫綱の2綱からなり、前者は冷血脊椎(せきつい)動物の組織内や管腔(かんこう)内に寄生し、とくに魚病の病原体として重要であるが、後者はおもに環形動物の腸管などに寄生するもので人との関係は薄い。生活環の一例をあげれば、まず組織内で栄養生殖期に入ると、長径10マイクロメートルから3ミリメートルにわたる多核栄養型を形成するが、やがて胞子形成期に入って10~15マイクロメートルの球ないし紡錘形の胞子を産生する。胞子は核、1本の極糸をもった極嚢(きょくのう)、原形質などからなり、水中に放出されたのち、宿主により経口的に摂取されると、消化管内で極糸が射出され、その糸を通ってアメーバ状の原形質が脱出し、消化管上皮を経て組織に侵入し栄養型になる。組織崩壊や腫瘤(しゅりゅう)形成で、魚体の商品価値を著しく損ねて被害を与える。ミクシジウム属Myxidium、ミクソボルス属Myxobolus、トリアクチノミクソン属Triactinomyxonなどの諸属がある。

小山 力]

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