ミコール酸(読み)ミコールサン

化学辞典 第2版 「ミコール酸」の解説

ミコール酸
ミコールサン
mycolic acid

結核菌Mycobacteriumや抗酸性菌の菌体脂質中に含まれる総炭素数70~80,α位に炭素数22または24の分枝,β位にヒドロキシ基を有する脂肪酸の総称共通の末端構造(図)は熱分解すると,RCHOとR′CH2COOHを生成する.いくつかの例を表に示すが,R′は飽和アルキル基,Rは飽和または不飽和アルキル基で,メチル分枝,ヒドロキシ基,カルボニル基カルボキシル基などを含むものもある.ミコール酸は,一般に種々の分子量をもつ類似体の混合物であり,菌体脂質中の存在様式として,遊離脂肪酸,グリセロイルモノミコール酸,トレハロース6,6′-ジミコールも知られているが,90% 以上は細胞壁中のアラビノガラクタンの非還元末端D-アラビノースの5位のヒドロキシ基にエステル結合している.これら細胞壁のミコール酸エステルは,Mycobacteriumの抗酸性に重要な役割りを果たしていると考えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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