改訂新版 世界大百科事典 「ミツラー」の意味・わかりやすい解説
ミツラー
Lorenz Christoph Mizler
生没年:1711-78
ドイツの音楽評論家。1731年にライプチヒ大学に入学し,神学,哲学を学ぶ。在学中にJ.S.バッハに作曲を習ったといわれる。エルフルト大学から医学博士号を贈られるとか,ワルシャワで宮廷顧問官を務めてポーランド貴族に列せられるなど,その活躍は多方面に及ぶが,今日特記すべき業績としてあげられるのは,36年に,当時としては珍しかった音楽雑誌《新設音楽文庫Neu eröffnete musikalische Bibliothek》を創刊したことと,バッハやヘンデルも入会した音楽学協会を38年に設立したことである。とくに《新設音楽文庫》は現在,当時の音楽事情を研究するための貴重な資料となっている。
執筆者:東川 清一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報