ミヘリス(読み)みへりす(英語表記)Panayotis Andreu Michelis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヘリス」の意味・わかりやすい解説

ミヘリス
みへりす
Panayotis Andreu Michelis
(1903―1969)

ギリシア美学者、建築家。パトラに生まれる。ドレスデンで学び、1941年からアテネ工科大学の建築学教授として形態論およびリズム論を担当。60年には第4回国際美学会議をアテネで主宰し、62年ギリシア美学会を創設した。主著『芸術としての建築』(1940。邦訳名『建築美学』)において、建造物は魂をもつ生体である、という考えを中心とする建築論を打ち立て、『ビザンティン芸術の美学』(1946)では、崇高の概念によって中世美術を解釈した。ハギア・ソフィアや鉄筋コンクリート建築の美学、また一般美学、現代美術に関する多彩な論考のほかに、詩集四巻、聖堂建築の素描集をも残している。

[瀧 一郎]

『吉田鋼市訳『建築美学』(1982・南洋堂出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android