日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミレイ」の意味・わかりやすい解説
ミレイ(Sir John Everett Millais)
みれい
Sir John Everett Millais
(1829―1896)
イギリスの画家。サウサンプトンに生まれる。1840年、最年少の生徒としてロイヤル・アカデミー・スクールに入学。48年、ロセッティ、ハントらとともにラファエル前派を結成し、『イザベラ』(1849)、『両親の家のキリスト』(1850)、『オフィーリア』(1852)など初期の傑作を制作。53年、ロイヤル・アカデミーの准会員に選出されるとともに、グループを離れ、以後アカデミシャンの道を邁進(まいしん)することになる。また作風もしだいに通俗的でときに感傷性の強いものに変わっていった。肖像画家としても優れ、風景画や挿絵なども手がけた。96年、レイトン卿(きょう)の死去に伴ってロイヤル・アカデミーの会長に就任したが、まもなくロンドンで没した。
[谷田博行]