ムドラーラークシャサ(その他表記)Mudrārākshasa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムドラーラークシャサ」の意味・わかりやすい解説

ムドラーラークシャサ
Mudrārākshasa

インドサンスクリット劇。9世紀頃の劇作家ビシャーカダッタ (ビシャーカデーバ) 作。マウリヤ朝チャンドラグプタナンダ朝を滅ぼしたとき,彼の宰相チャーナキヤ (カウティリヤ) がナンダ王の大臣ラークシャサを打ち破った機敏な活躍を描いた7幕物。恋愛ヒロインの活躍がない政治的戯曲

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世界大百科事典(旧版)内のムドラーラークシャサの言及

【インド演劇】より

…劇作家としてカーリダーサと並び称せられるのは,《マーラティーマーダバMālatīmādhava》ほか2編の作者ババブーティ(8世紀)である。さらにその後も政治劇《ムドラーラークシャサMudrārākṣasa》の作者ビシャーカダッタViśākhadatta(9世紀。カーリダーサと同時代とする説もある),大叙事詩《マハーバーラタ》から取材した6幕の《ベーニーサンハーラVeṇīsaṃhāra》の作家バッタナーラーヤナBhaṭṭanārāyaṇa(7~8世紀),ラージャシェーカラ(10世紀)など多くの劇作家が輩出したが,10世紀以降は他のサンスクリット文学とともに衰退していった。…

【カウティリヤ】より

…しかし現存の書物は後3世紀ごろに編まれたものらしい。ビシャーカダッタViśākhadattaの名作戯曲《ムドラー・ラークシャサMudrā‐rākṣasa》(4~5世紀)は,マウリヤ朝成立時におけるカウティリヤの謀略をテーマとした作品である。【山崎 元一】。…

※「ムドラーラークシャサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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