改訂新版 世界大百科事典 「ムハマディヤ」の意味・わかりやすい解説
ムハマディヤ
Muhammadiyah
1912年に結成されたインドネシアのイスラム改革をめざす社会団体。以来,今日に至るまで,イスラム社会の近代化を推進する団体として各種の活動を続けている。団体の創設者は,ダッフランというジョクジャカルタ王家の宗教役人であったが,その後ファフルディンが指導して,ジャワ北岸の都市のイスラム商人や西スマトラの各地に支持者を得,〈パン・イスラム主義〉と呼応して拡大した。狭義の宗教学校に加えて,一般教育のための教育機関,孤児院,診療所を開設するなど,〈コーランの教えにしたがって〉各種の社会運動を展開した。またこの動きに対抗して,1926年末には,伝統的な宗教塾(プサントレン)を主宰する宗教教師がナフダトゥル・ウラマを結成した。ムハマディヤは,直接に政治活動を行うことはなかったが,独立後はマシュミ党系の支持母体,現在はPPP(開発統一党)の支持母体の一つ。
執筆者:土屋 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報