改訂新版 世界大百科事典 「ナフダトゥルウラマ」の意味・わかりやすい解説
ナフダトゥル・ウラマ
Nahdḷatul Ulama
インドネシアのイスラムを代表する主要な政党,社会団体。1926年に,東ジャワの中小都市および農村部に散在するイスラム塾(プサントレン)の主宰者集団を中核として結成された。近代派イスラムに対抗するジャワの正統的イスラムの復興を目指し,〈ウラマー(宗教教師)の覚醒〉(ナフダトゥル・ウラマ)を名のった。日本軍政中に他のイスラム団体とともにマシュミ党を結成したが,52年以降は独立し,スカルノ時代を通じてイスラム派を代表する政党であった。73年以降は,インドネシア開発統一党の主要な構成母体をなしている。当初は宗教団体として発足したナフダトゥル・ウラマは,独立後は政党として閣僚を輩出し,現在なお,東ジャワ地方とマドゥラ島での政治的・宗教的影響力はきわめて強く,政府与党ゴルカルに対する一大対抗勢力を形成している。
執筆者:土屋 健治
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