日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムーティ」の意味・わかりやすい解説
ムーティ
むーてぃ
Riccardo Muti
(1941― )
イタリアの指揮者。生地ナポリの音楽院でピアノを、ついでミラノ音楽院で作曲と指揮を学ぶ。1967年カンテッリ国際指揮者コンクールで第1位となり、翌年ミラノでデビュー。フィレンツェ市立歌劇場、フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団、イギリスのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者、ついで音楽監督を経て、80~92年フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務める。1986年以来ミラノ・スカラ座とスカラ座管弦楽団の音楽監督を兼任、イタリアを代表する指揮者となった。1975年(昭和50)初来日。各地の歌劇場にも客演、幅広く活躍しており、生気にあふれた爽快(そうかい)な演奏を持ち味としている。ベルディをもっとも得意とする。
[岩井宏之]
『石戸谷結子著『マエストロに乾杯』(1994・共同通信社)』▽『ロバート・チェスターマン編著、中尾正史訳『マエストロたちとの対話』(1995・洋泉社)』▽『パオラ・カルヴェッティ監修『写真集リッカルド・ムーティ――スカラ座での10年』(1998・アルファベータ)』▽『レオネッタ・ベンティヴォリオ編著、白崎容子訳『わたしのヴェルディ――16人のアーティストが語る12の傑作オペラ』(2001・音楽之友社)』