乾杯
かんぱい
宴会などで喜ばしいことや、健康、繁栄などを祝って酒杯を触れ合わせ酒を飲み干すこと。本来は宗教的な行事で行われた儀礼である。一気に飲み干すといわれているのは昔、獣角、貝殻などの不安定な酒器を用いたためである。宴会の席で乾杯の音頭をとるのは長老がよい。そのときのことばや方式は各国の習慣、しきたりによって異なる。公式の宴会の場合はデザートのあと、または挨拶(あいさつ)の前に行う。しかし結婚披露宴や私的な宴会の場合は食事のコースの前に行うことが多い。飲み物はその食事によって異なるが、洋食の場合はシャンパンが多い。しかし各国それぞれの料理にあわせた酒を使う。
乾杯のときのことばとして、イギリスでは、トーストtoastというほか、プロージットprosit(慶祝のとき)、チェリオcheerio(別れのとき)と使い分ける。フランスでは、ブラボーbravo(賞賛)、ア・ボートル・サンテà votre santé(健康を祝す)といって乾杯する。このように民族の風習や慣習によりさまざまな違いがある。一般的な乾杯の仕方は、右手でグラスの上部を持ち、起立してから杯をあげるようにする。乾杯といっても一挙に飲み干す必要はない。
[石川朝子]
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乾杯【かんぱい】
健康,成功などを祝して酒杯をあげること。神に対する感謝のしるしであったが,すでに紀元前に個人同士のために行われるようになった。英語でトーストtoastというのは,ブドウ酒の香をよくするためトーストにしたパン片を杯に入れたことに由来。一つの杯から回し飲みもするが,現在では各人がそれぞれ杯を持ち,かけ声をかけてから飲むのが普通。
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乾杯
かんぱい
慶事や健康を祝して杯をあげ酒を飲み干すこと。正餐では主菜を食べ終えたあと,主人が立って挨拶,主人側全員が起立して客側に向い,乾杯の音頭とともに飲み干す。客側は同時に着席のまま飲み干すのを定法とする。乾杯後にグラスをたたき割ったり,飲み干したことを相手に見せ合ったりすることもあるが,時代や文化によって様式は異なる。
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かん‐ぱい【乾杯/乾×盃】
[名](スル)杯の酒を飲み干すこと。特に、喜びや祝福の気持ちを込め、杯を差し上げたり触れ合わせたりして、酒を飲むこと。「―の音頭をとる」「二人の門出を祝い、―する」
[類語]祝杯・献杯・返杯
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乾杯 (カンパイ)
学名:Rosa hybrida
植物。バラ科の落葉低木
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かんぱい【乾杯】
宴会において主客以外のものが起立し,手にした酒杯をあげて互いに触れあわせ,酒を飲みほすこと。本来は健康を祝する儀礼で,英語でトーストtoastというが,今日では宴会の性質によって乾杯の祝意もさまざまで,全員が起立して行う場合もある。
[沿革]
乾杯は古代に神または死者のために神酒を飲んだ宗教的儀式が起源とみられ,ギリシア,ローマでは食事中に神酒を神にささげ,公の宴会では列席者ならびに死者のために乾杯した。
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世界大百科事典内の乾杯の言及
【盃事】より
…出棺に際し死者との決別のため日常行わない方法で別れの酒を飲んだり(ワカレノオミキ),食べ物をたべたり(デタチノゼン)する地域がある。現在宴会において主客以外が起立して互いに杯をあげてふれあわせ酒を飲みほして祝意を示す乾杯が広く行われている。【植松 明石】。…
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