朝日日本歴史人物事典 「メイラン」の解説
メイラン
生年:1785
江戸後期のオランダ商館長。ライデン生まれ。1803年に東インドへ渡り,文政9(1826)年に出島商館長として来日。着任後,対日貿易の改善,商館内部の対立解消をめざして個人貿易協会を設立,短期間ながら一定の成果をあげた。またシーボルト事件(1828~29)では日蘭の仲介役として円満な解決に努力。清廉潔白で温厚な人柄は長崎奉行,シーボルト,東インド政庁役人らの称賛するところであった。バタビア帰任後数カ月で死去。『日本』(1830年刊),『日欧貿易概観』(1833年刊)の著書があり,前著では日本の風俗習慣,長崎の行政などの記述に加え,日本人の性格を「疑い深く秘密主義で酒色に耽り,執念深く残忍な半面,正直で国に忠誠を尽くし,父母や子を愛し,友情に堅い」と評している。<参考文献>永積洋子「オランダ商館の脇荷貿易について―商館長メイランの設立した個人貿易協会(1826~30)」(『日本歴史』379号)
(鳥井裕美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報