岡研介(読み)オカケンカイ

デジタル大辞泉 「岡研介」の意味・読み・例文・類語

おか‐けんかい〔をか‐〕【岡研介】

[1799~1839]江戸後期の医師周防すおうの人。名は精。漢学広瀬淡窓に、蘭学医学シーボルトに学び、鳴滝塾頭となる。日本に初めて生理学紹介

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精選版 日本国語大辞典 「岡研介」の意味・読み・例文・類語

おか‐けんかい【岡研介】

  1. 江戸後期の医者。号、周東周防の人。シーボルトに師事大坂開業。「生機論」を著わして生理学を紹介。寛政一一~天保一〇年(一七九九‐一八三九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡研介」の意味・わかりやすい解説

岡研介(おかけんすけ)
おかけんすけ
(1799―1839)

江戸後期の蘭方(らんぽう)医。周防(すおう)国平生(ひらお)村(山口県平生町)生まれ。父は眼科医岡泰純(1746―1807)。名は精、字(あざな)は子究、周東のち恥葊(ちあん)と号し、研介は通称。1816年(文化13)広島中井厚沢(1775―1832)に入門、ここで坪井信道(しんどう)を知った。1819年長府(下関)で開業、1824年(文政7)長崎に行き、吉雄権之助(よしおごんのすけ)(1785―1831)の塾で蘭学を修め、シーボルトに教えを受け、鳴滝塾(なるたきじゅく)塾頭となった。1830年(天保1)江戸に向かうが、途中、大坂で同郷の流行医斎藤方策(さいとうほうさく)(1771―1849)と意気投合して定住、開業し蘭学を教え、頼山陽(らいさんよう)ら文人とも親交をもった。1838年岩国藩医となる。このころから幻覚性被害妄想性精神病に悩まされたが、自らその症候を記録した。謹厳無私の性格で、塾規にも、酒楼茶店妓館(ぎかん)に遊ぶことを禁じ、つねに西洋の新知識を吸収し、古義や形式にこだわらず学業大成に努めることを示している。著訳書に、日本に初めて生理学を紹介した『生機論』(1831年、未刊)ほか、『眼科精要』『岡常用方』などあるが、多くは散逸して不詳。天保(てんぽう)10年11月3日没。

[末中哲夫]

『田中助一著『防長医学史』上下(1951、1953・同書刊行後援会/合本複製・1984・聚海書林)』


岡研介(おかけんかい)
おかけんかい

岡研介

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改訂新版 世界大百科事典 「岡研介」の意味・わかりやすい解説

岡研介 (おかけんかい)
生没年:1799-1839(寛政11-天保10)

江戸後期の蘭方医。周防国出身。儒学を広瀬淡窓・亀井昭陽らに,蘭方医学を中井厚沢・吉雄耕牛・大槻玄沢らに学び,シーボルト門に入り蘭学の才を認められて鳴滝塾第2代塾頭となった。のち友人坪井信道のすすめで江戸に出る途次,大坂で同郷の先輩斎藤方策と会い,そのまま大坂に開業,郷里岩国侯に召されて大坂を去ったが,そのころから精神病を発して没した。著書に日本最初の生理学総論書《生機論》(1831成稿)や,シーボルトに提出した論文《紀州産鯨についての記述》(梶取屋治右衛門《鯨志》の蘭訳)がある。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡研介」の解説

岡研介 おか-けんかい

1799-1839 江戸時代後期の医師。
寛政11年生まれ。広島の蘭方医中井厚沢(こうたく)にまなび萩(はぎ)で開業。文政7年長崎にゆきシーボルトに師事して鳴滝塾の初代塾頭となる。天保(てんぽう)元年大坂で開業後,故郷の周防(すおう)(山口県)岩国藩医となった。天保10年11月3日死去。41歳。名は精。字(あざな)は子究。号は周東,万松精舎。著作に「生機論」など。

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世界大百科事典(旧版)内の岡研介の言及

【鯨志】より

…図は画工が,クジラを実見し,写生したものがもとになっている。来日したP.F.vonシーボルトは日本のクジラに関心をもち,門人の高野長英,石井宗謙,岡研介たちにクジラに関する論文を書かせた。シーボルトは,論文から得た知識を自著《日本Nippon》(1832‐52),《日本動物誌Fauna Japonica》(1833‐50)で利用している。…

※「岡研介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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