メコン川下流域開発計画(読み)メコンがわかりゅういきかいはつけいかく(その他表記)Development Project of the Lower Mekong Basin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メコン川下流域開発計画」の意味・わかりやすい解説

メコン川下流域開発計画
メコンがわかりゅういきかいはつけいかく
Development Project of the Lower Mekong Basin

メコン川流域一帯を総合的に開発し,国境を越えて流域住民の生活水準の向上をはかろうという計画。多目的ダムの建設や灌漑,水量調節,水利施設,航路の整備などが計画されている。国連アジア太平洋経済社会委員会 ESCAP前身であるアジア極東経済委員会 ECAFEを中心に,1951年に計画の検討が開始され,57年9月にメコン川下流域における開発計画の立案と調整を行うためメコン委員会 (ラオスカンボジア,タイ,南ベトナムの4ヵ国で構成) が設立された。 75年4月のサイゴン陥落後,77年4月にバンコクで開かれた第 33回 ESCAPに出席したベトナム社会主義共和国,ラオス両国は,タイとの間でメコン委員会の再開に合意し,同年7月にベトナム,ラオス,タイ3国の間でメコン開発再開の話合いが始り,78年カンボジアを除いたメコン暫定委員会の形で再開され,現在にいたっている。その後ベトナム=カンボジア戦争および中越戦争勃発によりメコン開発計画は重大な困難に直面したが,91年のカンボジア和平を受けて,再び計画が動き出すものと期待されている。

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