…この神秘的な治療法の流行に対して,1784年フランス政府は化学者ラボアジエをはじめとする調査委員会を設置し,真相の解明にあたらせたが,委員会は動物磁気説を否定し,何か心理的な原因によるものとの結論を下した。この療法は下火となったものの,催眠研究の端緒となったことは否定しえず,その後長くメスメリズムmesmerismと呼ばれることになった。約半世紀後の1843年,イギリスの外科医ブレードJames Braid(1795‐1860)は《神経催眠学Neurypnology》なる本を著し,今日用いられるもろもろの催眠誘導法を発表するとともに,催眠(術)hypnotismなる言葉を初めて用いた。…
… 18世紀に出たオーストリアの医師メスマーは,薬物を用いないで,こうした触れることで伝わる流動体を〈動物磁気〉の名でよび,みずからこれによってウィーン,パリで大勢の人を治した。霊波とか動物磁気の実体は科学的には実証できなかったが,このメスマーの治療行為こそ,そのままメスメリズム(暗示療法)の名として残ることになり,これによりかつてギリシア人が子宮があばれまわるためと考えたヒステリーの本体がつかめるようになった。つまり心因性のヒステリー性盲目,手足の麻痺などは,暗示によって劇的に治ってしまうからである。…
…F.A.メスマーの立てた学説で,メスメリズムmesmerismともいう。すなわち,人体はすべて宇宙に満ちているガスの一種である動物磁気の作用下にあり,体内においてこの磁気の不均衡が生ずると病気になるというものである。…
…ドイツの医者,動物磁気説の提唱者。ウィーン大学で医学を学び同地で開業,パラケルスス,J.B.vanヘルモント,キルヒャーらの磁気論に基づく磁気療法(メスメリズムmesmerism)を試み,多くの難病を治し評判となった。万物相互間に働く万有引力は,宇宙に遍在する磁気的性質を帯びた微細な粒子からなる流体によって伝達されるとし,これを〈動物磁気〉と名付けた。…
※「メスメリズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加