モレア(英語表記)Moraea

改訂新版 世界大百科事典 「モレア」の意味・わかりやすい解説

モレア
Moraea

観賞用に栽培されるアヤメ科の多年草。日本ではほとんど普及していないが,ヨーロッパでは古くから栽培される。花や栄養器官形態アヤメ属にひじょうによく似ており,互いに近縁である。アヤメ属とは花被片の基部が合着しないこと,地下に球茎を持つことで区別される。モレア属Moraeaには約100種があり,アフリカ中・南部に分布する。そのうち約25種が栽培化されている。M.iridioides L.(英名African iris)は,外花被は白色で長さ約3cm。弁状の花被は帯紫色である。M.pavonia Ker(英名peacock iris)は花色の変化に富み,青,紫,黄,橙色などの系統がある。外花被は長さ約3cm。葉に軟毛があるのが特徴である。M.spathacea Kerは,モレア属の中では大輪花の種で外花被は長さ約4cm。鮮やかな黄色である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモレアの言及

【ペロポネソス半島】より

…ローマ帝国の落とともにこの地域にも多くの異民族が侵入し,歴史は混乱をきわめる。中世にはペロポネソスはモレアMoreaと呼ばれ,ビザンティン帝国と西欧の諸国(とくにベネチア)との勢力の拮抗の場となった。15世紀以降はオスマン帝国と西欧諸国との間にも同じような抗争があった。…

※「モレア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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