栄養器官(読み)エイヨウキカン(その他表記)vegetative organ

デジタル大辞泉 「栄養器官」の意味・読み・例文・類語

えいよう‐きかん〔エイヤウキクワン〕【栄養器官】

栄養をつかさどる器官植物では根・茎・葉などをさし、花などの生殖器官に対していう。動物では、広義には消化呼吸循環排出の各器官を総称し、狭義には口・胃・腸などの消化器官をさす。

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精選版 日本国語大辞典 「栄養器官」の意味・読み・例文・類語

えいよう‐きかんエイヤウキクヮン【栄養器官】

  1. 〘 名詞 〙 生物の栄養をつかさどる器官の総称。動物では呼吸、消化、循環、排出の四器官をさすが、消化器官だけに限る場合もある。植物では根、茎、葉がこれに当たる。〔生物学語彙(1884)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「栄養器官」の意味・わかりやすい解説

栄養器官 (えいようきかん)
vegetative organ

植物の器官は,生殖に関係する生殖器官とそれ以外の栄養器官とに大別することができる。シダ植物種子植物,すなわち維管束植物の栄養器官には根と茎と葉とがある。根はふつう植物体の地下部にあって植物体を支持し,水や無機塩類土壌から吸収し,また地下部における体内の物質の移動に役だっている。茎はふつう植物体の地上部を支持し,地上部における物質の移動に役だっているが,地下部にあって地下茎となっていることも多い。葉はふつう平面的な形をもち,光合成を行う。すなわち,葉は光を受け,そのエネルギーを利用して二酸化炭素と水とからブドウ糖をつくる。根,茎,葉の分化をもたない藻類や,その分化が不完全なコケ植物を含めて,一般に緑色植物の栄養器官で光合成が行われ,そこで生産される有機物が,植物のみならず,ヒトを含めて生物一般のエネルギーの源となっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栄養器官」の意味・わかりやすい解説

栄養器官
えいようきかん
vegetative organ

有性生殖とは無関係の器官という含みの用語であって,ことに植物で,花を除いて,葉,茎,根の総称として用いる。すなわちここでの「栄養」は,栄養素あるいは栄養摂取ということよりは意味が広くて,栄養生殖という場合の栄養である。動物の栄養摂取のための器官は,消化器官あるいは消化器系といわれるのが普通で,栄養器官とはいわない。

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