モンクメール語派(読み)モンクメールごは

世界の主要言語がわかる事典 「モンクメール語派」の解説

モンクメールごは【モンクメール語派】

アウストロアジア語族を構成する語派の一つ。インドシナ半島を中心に分布し、この地域の先住諸民族の言語とされる。カンボジアクメール語、ベトナムのベトナム語ムオン語、ベトナムとカンボジア国境付近のスティエン語・バナル語、ラオスのクム語、タイのクイ語・ラワ語、ミャンマーのモン語・パラウン語、マレー半島のサカイ語、インドカシミール地方のカシ語など、約100種類の言語が知られる。単音節語が基本で、接頭辞接中辞で派生語をつくる、一般に声調をもたない、語順は「主語動詞―目的語」、などを特徴とする。ベトナム語とムオン語は声調言語であることから、この語派への位置づけをめぐっては議論がある。◇英語でMon-Khmer。

出典 講談社世界の主要言語がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモンクメール語派の言及

【東南アジア】より

…しかし例えば,今日の採集狩猟民は,旧石器時代の生活様式をそのまま保存してきたのではなく,農耕民が存在することを前提として特殊な発展を遂げた採集狩猟民であるように,共存によって民族間関係の体系が生まれ,また変化していくのである。
[語族,民族の形成と移動]
 東南アジア大陸部におけるおもな語族としては,アウストロアジア(南アジア)語族のモン・クメール語派,シナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派,カム・タイ語派(タイ諸語),アウストロネシア(南島)語族のインドネシア(ヘスペロネシア)語派がある。 モン・クメール語派はインドのムンダ諸語とともにアウストロアジア語族を形成しており,この語派の言語を話す人々は採集狩猟民(ピー・トン・ルアン,セマン),穀物焼畑耕作民(ラメート族ワ族など),平地水稲犂耕民(モン族クメール族,ベトナム人)というように,さまざまな生活様式にわたっている。…

※「モンクメール語派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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