ヤマトンボ

改訂新版 世界大百科事典 「ヤマトンボ」の意味・わかりやすい解説

ヤマトンボ (山蜻蛉)

トンボ目エゾトンボ科ヤマトンボ亜科Macromiinaeの昆虫総称。日本産のオオヤマトンボコヤマトンボなどは大型で一見ヤンマ科の種のように見える。いずれも金属緑色の地に鮮やかな黄色のすじがあり,肢は長い。オーストラリアを除いて世界的に分布するが,種類は多くない。コヤマトンボ属Macromiaでは幼虫が流れに育ち,オオヤマトンボ属Epophthalmiaでは幼虫が泥底の池沼に育つ。両種とも5~8月の間に現れ水辺徘徊はいかい飛翔(ひしよう)する。日本には他にキイロヤマトンボ,オキナワコヤマトンボ,ヒナヤマトンボ,サキシマヤマトンボなどを産するが,国外では,東南アジア地域にもっとも種類が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマトンボ」の意味・わかりやすい解説

ヤマトンボ
やまとんぼ / 山蜻蛉

昆虫綱トンボ目エゾトンボ科に属するヤマトンボ亜科Macromiinaeの昆虫の総称。日本産のオオヤマトンボ、コヤマトンボなどは体長80ミリメートル内外の大形で、一見ヤンマ科の種のようにみえる。金属緑色の地に黄条があり脚(あし)は長い。この類はオーストラリアを除いて広く世界に分布するが、種類数は多くない。幼虫は扁平(へんぺい)で、クモ状に長い脚を有し、コヤマトンボ属Macromia流水に生活し、オオヤマトンボ属Epophthalmiaは泥底の池沼に育つ。両種とも5~8月に現れて水辺を徘徊(はいかい)する。このほか、日本にはキイロヤマトンボ、オキナワコヤマトンボ、サキシマヤマトンボなどを産する。

朝比奈正二郎


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