ユ・いえる・まさる・いよいよ

普及版 字通 の解説


13画

[字音]
[字訓] いえる・まさる・いよいよ

[金文]

[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある手術刀(余)で膿漿(のうしよう)をとり、これを盤(舟)に移す形。これによってその痛苦を治癒する意で、その安らぐ情をという。(愉)と同字異構であるが、慣用を異にするところがある。〔孟子、公孫丑下〕「今、小(すこ)しく(い)えたり」のように、治癒の意に用いる。〔論語、公冶長〕「女(なんぢ)と回(顔回)と孰(いづ)れか(まさ)れる」は比較、〔詩、小雅、小明〕「蹙(ちぢ)まる」は副詞、〔詩、小雅、正月〕「憂心たり」は瘉の仮借で、なお病み憂える状態をいう。

[訓義]
1. いえる、なおる、おさまる。
2. まさる、なおまさる。
3. 次第によろし、いよいよ、ますます。
4. 愉と通じ、たのしい、たのしむ。
5. 瘉(ゆ)と通じ、うれえなやむ。

[古辞書の訓]
名義抄 イヨイヨ・イユ・マサル・スグル・マスマス・カシコシ・スフ・タトヒ・コユ

[語系]
・兪・踰・渝jioは同声。兪は治癒の意で、兪声の字にその声義を承けるものが多い。

[熟語]

[下接語]
・快・小・治・病

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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