ゆおびか(読み)ユオビカ

デジタル大辞泉 「ゆおびか」の意味・読み・例文・類語

ゆおび‐か〔ゆほび‐〕

[形動ナリ]広々としているさま。ゆったりとして穏やかなさま。
「(明石ノ浦ハ)あやしくこと所に似ず―なる所に侍る」〈若紫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ゆおびか」の意味・読み・例文・類語

ゆおびかゆほびか

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. ゆたかにひろびろとしているさま。ゆったりとして穏やかなさま。
    1. [初出の実例]「み吉野の大川水のゆをひかにあらぬもの故波の立つらん」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)三)
    2. 「聊其子細なくて、ゆをひかにおひたち、けしきやすらかにて、芸堪能なるぞゆかしかるべき」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一四)
  3. 深遠で奥深いさま。奥ゆかしく上品なさま。
    1. [初出の実例]「跡なる童は、世に窈窕(ユヲビカニ)粧ひて」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)一)
  4. 心が広く大きいさま。寛容であるさま。
    1. [初出の実例]「ゆほびかなる御心ばせのかたじけなさ、言にいひ出づべうもあらねど」(出典:志濃夫廼舎歌集(1868)君来草)

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