ユミケカビ(読み)ユミケカビ(その他表記)Absidia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユミケカビ」の意味・わかりやすい解説

ユミケカビ(弓毛黴)
ユミケカビ
Absidia

藻菌類接合菌類ケカビ目ケカビ科。約 20種が記録されている。土壌などによく存在し,草食動物の糞などのような比較的有機物に富んだ基質に発生するのがよくみられる。菌糸は斜上,または匍匐枝形成をする。しばしば灰色または黒褐色を呈し,外見上クモノスカビ (リゾープス) に似ている。菌糸の空気中に立上がったところから,胞子嚢柄を出し,先端に倒卵形の胞子嚢をつける。胞子嚢は黒熟して破れ,胞子が散逸すると,あとに半球形または倒卵形で,中央に小突起のある柱軸が残り,また多くの場合,胞子嚢の基部が襟状に残存する。有性生殖は配偶子嚢によるが,その柄部から多数の細長い糸状の突起が出て接合子を取囲む。

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世界大百科事典(旧版)内のユミケカビの言及

【ケカビ】より

M.hiemalis Wehmer,M.mucedo Brefeld(両者とも雌雄異株)などが普通に多い種で,世界中に広く分布している。外見がまっすぐにけばだつ点で,近縁のユミケカビAbsidiaクモノスカビなどと区別しやすい。現在60種余りが知られている。…

※「ユミケカビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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