ゆ文字(読み)ゆもじ

精選版 日本国語大辞典 「ゆ文字」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐もじ【ゆ文字】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ゆ」の音を語頭にもつ語の後半を略して「文字」を添えた女房詞 )
  2. ( 湯文字 ) 「ゆかたびら」の後半を略して「文字」を添えたもの。
    1. (イ) 入浴の時に身に巻きつけた布。湯具。ゆかたびら。ゆまき。
      1. [初出の実例]「御したも〈略〉御湯具の事にて、末々にてはおゆもしなど申侍るは無下の事也」(出典:后宮名目抄(14C頃)(古事類苑・器物一一))
    2. (ロ) 女性が着物の下に、腰から脚部にかけてじかにまとう布。腰巻。湯巻。いもじ。
      1. [初出の実例]「ゆもじにも火用心して花衣 その若草のつまのかいどり〈重以〉」(出典:俳諧・蛇之助五百韻(1677))
  3. ゆかしいこと。おゆもじ。
    1. [初出の実例]「御いもじとも御ゆもじとも、さらに何の心も知り候はぬわが身に」(出典:仮名草子・薄雪物語(1632)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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