化学辞典 第2版 「ヨードチロニン」の解説
ヨードチロニン
ヨードチロニン
iodothyronine
チロニン核にヨウ素置換した化合物の総称.甲状せんホルモンのチロキシン(3,3′,5,5′-テトラヨードチロニン),3,3′,5-トリヨード-L-チロニンのほか,ホルモン活性のない3,3′,5′-トリヨード-L-チロニン,および3,5-ジヨード-チロニンが知られている.
【Ⅰ】3,5-ジヨード-L-チロニン(3,5-diiodothyronine).O-(4-hydroxyphenyl)-3,5-diiodo-L-tyrosine.C15H13I2NO4(525.08).海藻類のタンパク質中に存在する.分解点255 ℃.[CAS 1041-01-6]【Ⅱ】3,5,3′-トリヨード-L-チロニン(3,5,3′-triiodothyronine).O-(4-hydroxy-3-iodophenyl)-3,5-diiodo-L-tyrosine.C15H12I3NO4(650.9).ジヨードチロニンをヨウ素化すると得られる.甲状腺ホルモン.分解点236~237 ℃.+21.5°(1 mol L-1 塩酸/エタノール).希アルカリに可溶,水,エタノールに不溶.幼若動物の成長分科を促進し,成熟動物の各臓器の基礎代謝を上昇させる.ナトリウム塩が一般に用いられるが,催奇性も報告されている.[CAS 6893-02-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報