山川 世界史小辞典 改訂新版 「ライーヤトワーリー制」の解説
ライーヤトワーリー制(ライーヤトワーリーせい)
Raīyatwārī System
主に英領インドのマドラス管区とボンベイ管区で実施された土地制度。農民(ライヤット)に土地所有権を授与し,地租納入義務を負わせた。地租額の査定にあたっては,科学的な土地調査が行われる原則だったが,査定が過重になることが多く,負担軽減のために便宜的措置がとられた結果,原則は形骸化した。地租額は30年ごとに改訂される原則だった。農民といっても,土地所有権を与えられたのは上層農民にすぎず,法的な保護を受けられない多くの農民を生んだ。マドラス管区では,マンローがこの制度を推進,試行錯誤の末1820年代初めから本格的に導入されていった。ボンベイ管区では,ゴールドスミッドとウィンゲートが制度をつくりあげ,1835年以降段階的に実施した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報