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錯誤 さくご

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

錯誤
さくご

(1) 民法上,内心的意志 (意真) と表示とが一致せず,そのことを表意者みずからが自覚していない場合の意思表示をいう。法律行為の要素に錯誤があるときは無効である (95条) 。法律行為の要素とは,意思表示の重要な部分のことであるが,結局は裁判官の判断にゆだねられることになる。

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デジタル大辞泉の解説

さく‐ご【錯誤】

[名](スル)
まちがうこと。まちがい。誤り。「錯誤を犯す」「試行錯誤
「時々強いて―して織り込まれて」〈佐藤春夫田園の憂鬱
その人の認識と客観的事実とが一致しないこと。「時代錯誤
民法上、意思表示をした者の内心の意思と表示行為とがくいちがっていることを表意者自身が知らないこと。例えば、英和辞典を買うつもりで、気づかずに和英辞典を買うなど。

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百科事典マイペディアの解説

錯誤【さくご】

法律上,内心と表示行為との間に不一致のあることを意思表示者が認識しないこと。(1)私法上,錯誤には,表示上の錯誤(誤記など),内容の錯誤(10マイルのつもりで10カイリという場合など),動機の錯誤(鉄道敷設予定地と誤信して土地を高価で買う場合など)の3態様がある。
→関連項目詐欺無効

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世界大百科事典 第2版の解説

さくご【錯誤】

客観的事実と主観的認識との不一致。不知と誤解の双方を含む。
[民法上の錯誤]
 民法上,意思表示に関する錯誤が問題となる。ここにいう錯誤とは,表意者の真意(内心的効果意思)と表示の内容とが一致しない意思表示であり,その不一致を表意者自身が知らないでなしたものをいう(いわゆる〈意思の欠缺(けんけつ)〉の一場合である)。10ポンドと書くつもりでうっかり10ドルと書くというような誤記・誤談の類(表示上の錯誤),10ポンドと10ドルとが同価値であると誤解して10ポンドの価値を意図しつつ10ドルと書いた場合(内容の錯誤),受胎している良馬と誤信して駄馬を買った場合(動機の錯誤)などがある。

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大辞林 第三版の解説

さくご【錯誤】

まちがい。あやまり。 「 -を犯す」 「 -におちいる」 「試行-」 「時代-」
〘法〙 事実とそれに対する人の認識が一致しないこと。意思表示をした者の誤認識・誤判断が原因で、表示から推測される意思と真意との間に食い違いが生じている場合。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

錯誤
さくご

刑法上

行為者の認識が客観的な事実等と一致しないことをいう。
 犯罪の成立には、原則として行為者に故意がなければならない。そして、故意が過失と比べ格段に重く処罰される理由は、行為者が、犯罪事実(構成要件的事実)を認識し、かつ、これが法的に許されないこと(違法)を知りながら、あえて行為に出るところにある。したがって、行為者が、犯罪事実が存在するのにこれを誤認したり、行為が違法であるのに違法ではないと錯覚して行為を行った場合には、一般的に、故意は否定され、せいぜい過失があれば過失犯として処罰されるにすぎない。このように、故意論と錯誤論とは表裏の関係にあるといえる。
 ところで、故意を認めるためには犯罪事実の認識を要するが、行為者が認識したところと、客観的な事実とが厳密に一致することまで要求すると、刑法的にみてささいな不一致(錯誤)が存在するにすぎない場合にも、すべて故意を否定せざるをえなくなる。現に、具体的符合説とよばれる有力な見解によれば、行為者の認識したところと、現に発生した結果とが具体的に一致(符合)することを要求するから、Aを殺すつもりで、誤って傍らにいたBを殺してしまったような場合(この場合を「方法の錯誤」という)には、殺人罪の故意が否定される(ただ、この説でも、「客体の錯誤」すなわち、たとえば、Aだと思って攻撃したところ、実はそこにいたのはAでなくBであったような場合には、故意が肯定される)。これに対して、法定的符合説は、構成要件を基準として、同一構成要件内の錯誤(具体的事実の錯誤)の場合、すなわち、前述したような「人を殺す目的で、現に人を殺した」場合には、客体の錯誤、方法の錯誤、因果関係の錯誤のいずれであれ、「人を殺す」という点では法的に符合するから、故意を認めてもよいと解する。しかし、この説でも、異なった構成要件間の錯誤(抽象的事実の錯誤)の場合、たとえば、他人の犬を殺すつもりで、犬を連れていた人を殺してしまったようなケースでは、そもそも「人を殺す」意思がないから、殺人罪の故意は存在しないと解している(この点では具体的符合説も結論は同じ)。
 次に、犯罪事実の認識はあるが、特別の事情により違法性を基礎づける事実を認識していない場合、具体的には、誤想防衛や誤想避難のように、違法性阻却事由(違法阻却事由)の錯誤の場合には、そもそも違法とされる事実そのものを認識していないのであるから、錯誤により犯罪事実を認識していない場合に準じて、故意が阻却される。したがって、たとえば、相手が攻撃してこないのに、攻撃してくると誤認して反撃を加えこれを負傷させたような場合には、故意が阻却されることになる。
 また、行為が違法であるのに違法でないものと誤信した場合(違法性の錯誤、法律の錯誤、禁止の錯誤とよばれる)をどのように取り扱うべきか、については、違法性の意識は故意の要素かという問題に関連して見解は分かれる。厳格故意説(違法性の意識は故意の要素であると解する説)の立場においてのみ、違法性の錯誤は故意を阻却するという結論になるが、違法性の意識を要しないとする支配的見解によれば、違法性の錯誤は故意を阻却しないと解されている(ただし、違法性の意識の可能性を要するという制限故意説などがある)。[名和鐵郎]

民法上

意思表示をした者の内心の意思と表示とが食い違っている意思表示であって、その食い違っていることを表意者自身が知らないことを錯誤という。たとえば、1千万円と書くつもりでうっかり1千円と書いたり(表示上の錯誤)、ポンドとドルとは同価値であると誤解して10ポンドの価値を意図しつつ10ドルと表示したり(内容の錯誤)、受胎している良馬と誤解して駄馬(だば)を買った場合(動機の錯誤)などである。民法は、意思主義の下に、「法律行為の要素」に錯誤がある意思表示は無効になるものとした(95条)。表示上の錯誤と内容の錯誤が要素の錯誤となることに問題はないが、動機の錯誤が要素の錯誤になるかにつき、かつては動機が表示されると要素の錯誤になると解されていた。しかし、最近ではこのような区別をせず、意思表示の内容に関し(ただし、動機を排斥しない)、その重要な部分に錯誤があった場合(すなわち、その錯誤がなかったならば、本人も普通一般人も、その意思表示をしなかったであろうという場合)には、当該意思表示は法律的な効力を生じないものと解する考え方が有力である。ただし、表意者に重大な過失がある場合には、表意者自ら無効を主張することはできない(95条但書)。なお、この錯誤者保護も会社法では制限がある(51条2項、102条4項、211条2項)。[淡路剛久]

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世界大百科事典内の錯誤の言及

【行為】より

…こうして,行為の研究は,目的,計画,意思決定といった内的過程のなかで役割を果たす概念の解明に集中することになる。ここで,以上のような観点から行為の錯誤について考えると,錯誤は,意図を形成する意思決定の過程で生ずる誤りと,意図を実現するさいに生ずる間違い(度忘れ,うっかりした書き間違い,などのスリップ)とに大きく区別される。後者の場合の錯誤は行為の実行過程で生ずるものなので,比較的誤りが判明しやすいが,前者の場合の錯誤は,プログラム自体の誤りともいえるものであるため,さまざまな情報が最初の意図の制約のもとで解釈され,誤りが判明しにくく,大事故につながる場合もある。…

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