ラオロン(読み)らおろん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラオロン」の意味・わかりやすい解説

ラオロン
らおろん

タイの蒸留酒。日本の焼酎(しょうちゅう)にあたる。糖蜜(とうみつ)と糯米(もちごめ)が原料。まず麹(こうじ)に相当する「ルクパン」という中国式の麹(麯子(きょくし))をつくる。糯米を粉砕し、薬草を混ぜ、水でこねて小さいまんじゅうをつくり、ルクパンの粉末をまぶす。竹ざるの上に並べ、30℃くらいで培養すると3日間くらいで菌糸リゾープスやエンドマイコプシス)が生育してくる。これを乾燥し、保存しておく。米もろみは、蒸した糯米に石灰水をふりかけ、これにルクパン粉末をかけ約10リットル入りの容器に入れ、中央に穴をあけておいて、3日間放置する。米の表面にリゾープスやエンドマイコプシスなどのカビが生え、糖化液が中央の穴にたまるとともに発酵が始まり、米もろみができる。別に糖蜜もろみをつくり、米もろみを10%加えて発酵させ、一本塔の蒸留機で蒸留して40度のアルコールをとり、薄めて製品にする。アルコール分28度。最近はルクパンのかわりに酵素剤を使うという。

 このほか、タイには「メコン」という銘柄のウイスキーがある。また、サトウーとかウーといわれるどぶろく様の酒があり、ルクパンと糯米が使われる。タイ南部では、やし酒も盛んにつくられている。

[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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