旺文社世界史事典 三訂版 「ラティフンディア」の解説
ラティフンディア
latifundia (ラテン)
複数形がラティフンディウム。ローマがイタリア征服によって得た土地は,一部は小市民に割り当てられて植民市が建設されたが,他の公有地は一部の有力な市民によって占有され,海外より連れてきた奴隷を多く使役して果樹栽培や牧畜が行われた。この大土地所有制は第2回ポエニ戦争後急速に発展し,海外の属州(プロヴィンキア)にも拡大し,中小自営農民を没落させて貧富の差を広げ,ローマ共和政に危機をもたらした。そして,奴隷制大農経営の非生産性と奴隷供給源の枯渇 (こかつ) により,3世紀ごろからしだいにコロヌス制に移行していった。
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