日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルジーチカ」の意味・わかりやすい解説
ルジーチカ
るじーちか
Leopold Stephen Ružička
(1887―1976)
スイスの有機化学者。9月13日、クロアチアのブコバルVukovarで生まれる。カールスルーエ工科大学卒業(1910)。シュタウディンガーの助手となり、スイスで市民権を得(1917)、ユトレヒト大学教授(1926~1929)、チューリヒ工科大学教授(1929~1957)。テルペン、サポニン、ステリン類に多くの研究を行い、ジャコウネコの香料成分チベトン、ジャコウジカの香料成分ムスコンの構造決定および合成、それに関する炭素数の多い環状ケトンの合成を行い、テルペン類にイソプレン法則の適用を示した(1953)。また男性ホルモン(アンドロステロンおよびテストステロン)の合成に成功(1932~1935)。1939年ブーテナントとともにノーベル化学賞を受賞。9月26日チューリヒで没した。
[岩田敦子]