化学辞典 第2版 「ルテニウム酸塩」の解説
ルテニウム酸塩
ルテニウムサンエン
ruthenates
RuⅥ O42-(テトラオキソルテニウム(Ⅵ)酸イオン)とRuⅦ O4-(過ルテニウム酸イオン,テトラオキソルテニウム(Ⅶ)酸イオン)のNa,K,Rb,Cs,NH4,Mg,Ca,Sr,Ba,Ag塩が知られている.アルカリ金属の塩は黒緑色で,水に易溶.水溶液中で酸化作用を示す.アルカリ土類金属および銀の化合物は黒または朱色で,水に難溶.RuⅥ O42-はX線分析の結果,実際は [RuO3(OH)2]2- であることが判明した.過ルテニウム酸塩は,有機溶媒に可溶なテトラアルキルアンモニウム塩の形で,有機化学反応で温和な酸化剤として使われる.2001年にルテニウム酸ストロンチウムSr2RuⅣ O4は強磁性誘電体でありながら1.5 K で超伝導になることが見いだされ,注目されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報