改訂新版 世界大百科事典 「ルーフォンピテクス」の意味・わかりやすい解説
ルーフォンピテクス
Lufengpithecus
中国雲南省の禄豊Lufeng,元謀Yuanmou,開遠Kaiyuanなどから知られている大型化石類人猿。禄豊,元謀の年代は800万年前,開遠は1200万~1100万年前とされている。禄豊から発見されていた大型類人猿は,当初シバピテクスSivapithecusとされていたが,1987年に呉汝康Wu Rukangらによって,新属ルーフォンピテクスに分類された。3種が知られている。大臼歯の歯冠形態は,シバピテクスよりもオランウータンに似ているものの,シバピテクス,オランウータンとは顔面や口蓋部の特徴で異なり,これらの系統からはやや離れた位置にあると考えられる。タイのチェン・ムアンで発見された類人猿もルーフォンピテクスとされたが,後に別属コラートピテクスKhoratpithecusに移されている。
執筆者:中務 真人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報