ロシア中央銀行(読み)ロシアちゅうおうぎんこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロシア中央銀行」の意味・わかりやすい解説

ロシア中央銀行
ロシアちゅうおうぎんこう

ソ連邦においてはゴスバンクの下部組織に過ぎなかったが,1990年 12月の中央銀行法によりロシアの中央銀行として位置づけられ,91年には独立して金融政策を行い,ロシアにおけるすべての銀行に免許を付与する権限を有することとなった。その後もゴスバンクは通貨発行をコントロールしていたが,91年 11月ロシア最高会議はロシア中央銀行がゴスバンクを承継する決議採択,同年 12月にはゴスバンクが解体され,ソ連邦の崩壊と同時に名実ともに中央銀行としての地位を得た。ロシア中央銀行は,ロシア連邦の政府からは独立しているが,最高会議の管轄下にあり,旧ソ連邦内のルーブルの発行を一元的に管理し,金融政策,銀行の監督を行うとともに,大蔵省および対外経済関係省との協議のもとで為替レートや外国為替規制の決定を行なっている。なお独立国家共同体 CIS発足以降,各共和国による中央銀行同盟の形成が論議されていたが,実現にはいたっておらず,各共和国が独自通貨を導入しルーブル圏を離脱するか,ルーブル圏にとどまりロシア中央銀行と協調して金融政策を実施するかの選択が注目されている。

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