改訂新版 世界大百科事典 「ロスバウト」の意味・わかりやすい解説
ロスバウト
Hans Rosbaud
生没年:1895-1962
オーストリアの指揮者。フランクフルト・アム・マインのホーホ音楽院で作曲とピアノを学ぶ。1921年マインツ市立音楽学校長とマインツ交響楽団指揮者。この頃ヒンデミットに私淑した。28-37年フランクフルト放送音楽部長。その後ミュンスター,シュトラスブルク(現,ストラスブール)の音楽総監督,ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者を経て,48年より没するまでバーデン・バーデンの南西ドイツ放送管弦楽団首席指揮者。バルトークの《ピアノ協奏曲第2番》の初演(1933),シェーンベルクの《モーゼスとアローン》の初演(1954年ハンブルクで演奏会形式,57年チューリヒで舞台形式)をはじめ,各地の現代音楽祭で無数の現代曲を初演した。その明晰で客観的な指揮は,ブーレーズらに影響を与えたといわれる。
執筆者:小場瀬 純子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報