日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロペス・コボス」の意味・わかりやすい解説
ロペス・コボス
ろぺすこぼす
Jesús López-Cobos
(1940―2018)
スペインの指揮者。グラナダ大学とマドリード大学で哲学を学ぶ。合唱指揮活動ののち、ウィーン音楽院に留学、ハンス・スワロフスキーHans Swarowsky(1899―1975)に師事して指揮法を修め、1969年ブザンソン国際コンクールで第1位。翌1970年ベネチアでオペラ指揮者、プラハでコンサート指揮者としてデビューした。1972~1976年ベルリン・ドイツ・オペラ指揮者。その間各地に精力的に客演、名をあげた。1980年(昭和55)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と初来日。1981~1990年ベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督、1984~1989年スペイン国立管弦楽団の常任指揮者、1987~2001年シンシナティ交響楽団の音楽監督を務めた。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス以来スペインから出た国際的な指揮者として注目を集めた。1987年にベルリン・ドイツ・オペラと来日、ワーグナーの超大作『ニーベルングの指環(ゆびわ)』を日本で初めて全曲公演し、話題となった。
[岩井宏之 2018年3月19日]
『上地隆裕著『アメリカの交響楽団(1)』(1987・泰流社)』