山川 世界史小辞典 改訂新版 「ローマ市民権」の解説
ローマ市民権(ローマしみんけん)
Roman citizenship
都市国家ローマの正規の構成員の権利。成人男子のみ。前6世紀には市民団の枠組みが認識され,区に登録され,財産額に応じて従軍義務を定められ,民会参加や土地所有の権利を持つものとされた。市民のみが法の適用を受け,戦利品や植民に際しての土地配分を得られた。ローマの支配拡大とともに,特権として他の共同体市民や解放奴隷にも付与されていった。4~5年ごとに市民調査があり,前508年には13万,アウグストゥス時代には500万を数えた。帝政期,属州人にまで拡大し,212年全自由人に付与された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報