ろ過池(読み)ろかち(その他表記)filter basin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ろ過池」の意味・わかりやすい解説

ろ過池
ろかち
filter basin

上水道における浄水システムの一工程として,砂などを利用して水中不純物をこし取る設備を施した水槽。次の2種類がある。一つは緩速ろ過池で,ろ過材として上層に径の小さい細砂 (0.3~0.6mm) を,下層には粗砂砂利を用いる。ろ過を始めると,上層や表面に,次第に微生物などによるろ過膜が形成され,これがろ過に大きな影響を及ぼす。膜が厚くなりすぎるとろ過を妨げるので,上層表面の砂を削り取り,ろ過を続けなければならない。二つめは,急速ろ過池で,ろ過材として前者と同様細砂を使うが,径で前者より大きなもの (0.5~0.8mm) を用いる。目詰りに対しては,水を逆送して砂を洗浄するようになっている。

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世界大百科事典(旧版)内のろ過池の言及

【浄水】より

…両方式とも水中に懸濁する数μm~数十μm程度の微細な浮遊物の除去を主目的としている。 緩速ろ過方式は,取水した原水を沈殿池に導き粗懸濁物を沈殿させた後に,細かい砂を70~90cmの厚さに敷きつめたろ過池に導き,ろ過面積1m2当り1日5m3程度の緩やかな通水速度でろ過したうえで塩素殺菌して給水する方式である。ろ過池では懸濁物の物理的なろ別がなされるほかに,表層に繁殖する微生物群によるアンモニア,鉄,マンガン,有機成分や臭気成分の酸化,吸着,分解,水中細菌の捕食,ならびに砂層内部の細菌群による窒素成分の安定化などが達成される。…

※「ろ過池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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